最近は、深層学習を使った写真のノイズ除去や手振れ補正のウェブサービスが増えてきました。
深層学習を使った自作ツールを作ろうと思った場合、GitHub からソースコードやモデルファイルをダウンロードする必要が生じます。
Githubで公開されているファイルをZip形式でダウンロード&展開しても良いのですが、GitHub をインストールしておくと、コマンド一発で簡単にダウンロードできるようになります。
本ブログでも、今後は深層学習系のツール作成も視野にいれようと思っているので、今回はポータブル版GitHub のダウンロード&インストール方法を解説しようと思います。
Githubとは
Gitは、Linus Torvalds(リーナス・トーバルズ)によって開発された、分散型バージョン管理システムです。ファイルやディレクトリの変更履歴を記録・追跡し、過去の状態に戻ったり、複数人での共同作業を効率的に行ったりするためのツールです。
GitHubは、Gitのリモートリポジトリ(ファイルやフォルダの変更履歴をすべて記録・管理する保管庫)を提供するWebサービスであり、世界中の開発者がコードを共有し、共同で作業するためのプラットフォームです。
深層学習の分野においては、その開発や研究の成果(ソースコードや作成したモデルファイルなど)がGitHubで広く公開されています。というのも、深層学習のプロジェクトでは、大規模なデータセット、複雑なモデルのコード、そして実験結果など、多くのファイルを管理する必要あるからです。また、研究者やエンジニアが世界中で共同作業を行う上においても、GitHubは有効なツールとして使われています。
ポータブル版Gitとは
ポータブル版Gitとは、コンピュータにインストールすることなく、USBメモリなどの外部ストレージに入れて持ち運び、どのWindows環境でもGitの基本的なコマンドを実行できるようにパッケージングされたものです。
主な特徴と利点
- インストール不要
レジストリなどを変更しないため、インストール権限がない環境や、クリーンな状態を保ちたい環境でも利用できます。 - 持ち運び可能
USBメモリに入れておけば、どのWindows PCでもすぐにGitを利用できます。 - 環境依存が少ない
特定の環境設定に依存しないため、異なるWindows環境でも比較的安定して動作します。
ポータブル版Gitのインストール方法
ダウンロードしたZIPファイル(2025/04/28 時点:PortableGit-2.49.0-64-bit.7z.exe)を実行し、解凍先パスにWinPython をインストールしたフォルダ名+”¥PortableGit” を入力してください。

WinPythonを使う際にパスが通っていれば良いので、「ポータブルPython開発環境の作り方(WinPython)」の記事中の Step3 で作成した command.bat の4行目に次の1行を追加します。
SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\PortableGit;%WINPYDIRBASE%\PortableGit\bin
既に、ポータブル版 ffmpeg をインストールしている場合は、以下の様になります。
@echo off
CD scripts
call env_for_icons.bat %*
SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\PortableGit;%WINPYDIRBASE%\PortableGit\bin
SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\ffmpeg\bin
cd ..
cmd.exe /k
command.bat をダブルクリックで実行し、コマンドプロンプトから次のコマンドを実行してください。
git
下記の通り、Gitの使い方が表示されればインストールは成功です。

まとめ
本記事では、深層学習を使った自作ツールを開発する上で欠かせないポータブルGitについて、公式サイトからのダウンロード手順や、WinPython環境にインストールして使用可能にする方法をご紹介しました。
深層学習用のソースやモデルファイルは、通常GitHubで公開されていることが多く、ここから必要なものをダウンロードする際、Gitが大活躍します。
Gitには、数多くのコマンドが存在しますが、本サイトで使うコマンドは、GitHubに公開されているソースをフォルダ丸ごとローカルにコピーするための Git Clone のみです。
本ブログで紹介する深層学習を使ったツールを自作する場合は、是非この記事を参考にしてください。
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