Pythonで動画編集ツールを作成する際には、欠かせないのが「ffmpeg」と呼ばれるオープンソースのプログラムです。
このプログラムはインストーラー形式ではなく、Zip形式で配布されているため、ポータブル環境のPythonディストリビューションであるWinPythonとも非常に相性が良いです。
本記事では、ffmpegをWinPythonに組み込み、WinPython環境で使用できるよう設定する手順について詳しく説明します。
ffmpeg のインストール方法
まず、ffmpegの公式サイトからZip形式のファイルを取得し、それをWinPythonのフォルダに展開します。その後、command.bat(詳細は後述)に1行コードを追加するだけでインストールが完了します。
Pythonからは常に外部コマンドとしてffmpegが呼び出される仕様のため、最新版に更新しても動作に支障をきたすことはありません。
下記のURLから ffmpeg-master-latest-win64-gpl.zip をクリックしてダウンロードします。
https://github.com/BtbN/FFmpeg-Builds/releases

ダウンロードしたZipファイルを、WinPython環境をインストールしたフォルダに解凍し、フォルダ名をffmpegに変更します。


パスを通すといっても、あくまでもWinPythonを使い際にパスが通っていれば良いので、
「ポータブルPython開発環境の作り方(WinPython)」の記事中の Step3 で作成した command.bat の4行目に次の1行を追加します。
SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\ffmpeg\bin
下記は追加した結果です。これをそのまま張り付けてもらっても結構です。
@echo off
CD scripts
call env_for_icons.bat %*
SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\ffmpeg\bin
cd ..
cmd.exe /k
VSCodeでffmpegを使えるようにする
「WinPythonにVSCode Portable版をインストールする」の記事では、WinPython に VSCodeをインストールする手順を紹介しました。記事中のStep6の手順では、 VSCodeへのショートカットを作成していますが、このショートカットを実行しても、VSCode から ffmpeg を呼び出すことができません。
VSCode から実行したプログラムで ffmpeg を使いたい場合、command.bat を実行し、開いたコマンドプロンプトからショートカットを実行しなければならず、毎回この操作を行うのは面倒です。
そこで、新たに vscode.bat というバッチファイルを作成し、次の内容を記述します。
@echo off
CD scripts
call env_for_icons.bat %*
SET PATH=%PATH%;%WINPYDIRBASE%\ffmpeg\bin
cd ..\VSCode
Code.exe
vscode.bat を起動すると、コマンドプロンプトが表示されますが、これを閉じるとVSCodeも閉じてしまうので、そのままにしておきます。
コマンドプロンプトが目障りかもしれませんが、仕方がないので最小化するなどの対策を講じて我慢してください。

まとめ
本記事では、動画編集に必要不可欠なツールであるffmpegについて、公式サイトからのダウンロード手順や、WinPython環境にインストールして使用可能にする方法をご紹介しました。
ffmpegはZip形式で提供されており、WinPythonのインストールフォルダに解凍し、command.batにパスを通すための1行を追加するだけで簡単に設定が完了します。
さらに、VSCodeでもffmpegを活用するための手段として、vscode.batという新たなバッチファイルの作成方法も説明しました。
本記事を参考に、動画関連の自作ツールを動作させるための環境構築をぜひ試してみてください。ffmpegの導入は、その第一歩として欠かせないものです。
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